toggle
2017-04-25

東京のひりひりする感じに惹かれる

Photo by nakariho

 

東京生まれ東京育ちの私は、大都会・東京から逃れられない。

どんなに満員電車がつらくても、冷たくて希薄な人間関係であっても、 排気ガスまみれで空気が汚くても、ビルにさえぎられて空が小さくても、人混みで街がごった返していてもだ。

その欲望はおそらく憧れとか希望とか、そういう穏やかで幸福じみたものではない。

東京のひりひりするところに、どうしようもなく惹かれてしまうのだ。

それは絶えず新しい何かが生まれ続けていることや、それとともに何かが消えてなくなること。

何者かになりたい人や夢を見続けている人がいることや、何者にもなれず夢をあきらめてしまった人が混沌としていること。

欲望を駆り立てるもので溢れかえっているのに、いつまでもその虚像に惑わされ続けてしまうこと。

空腹や性欲を満たしてもなお、溢れかえる虚しさ。

人生に見切りをつけたからこそ幸せになれた人の後ろ姿や、まだ見ぬ明日に希望を見出している人の眼差し。

恋焦がれて、嫉妬して、憧れて、悔しがって、イラついて、悲しくて、嬉しくて、なんていう風に、感情の体力勝負なところ。

そんなものたちがぐちゃぐちゃで一緒くたになっているのに、平然としていて無機質なビル群。

あらゆる欲望や思念が渦巻いていて、ひりひりする。

でもだから気になってしまうし、触れていたくなる。感じていたくなる。

わたしにとって東京はそんな街であり、だからこそいつまでも逃れられないのだ。

関連記事